短篇集 ゆうれいって、いるんですか? 作者からのメッセージ 1

「 短篇集 ゆうれいって、いるんですか? 」あとがきのようなもの その一

この短編集を電子書籍化するにあたって、新作を5編書き下ろしました。

当初は短編なので1カ月もあれば書けるだろう、と思っていたのですが、 どうして、どうして。 
 いざ書こうと思っても、何を書けばいいのか、まったくアイデアが浮かびません。

 この短編集には以前ブログ等で発表した5作品に加筆をしたものを入れる予定でしたので、 それらの作風に沿ったロマンチック・ホラーなものを書こうとしていました。

 そこでふと思考が止まった。

 「ロマンチック・ホラーって、何?」

 おどろおどろしい怪談話ではなく、また昨今の作られた恐怖話でもないもの。 霊の存在を肯定しつつ、なおかつ真の霊のありようを伝えるもの。

 実際、みなさんが思う『幽霊』というのは、江戸時代以降に刷り込まれた 怖い存在で祟る者という感じじゃないですか?
 怖い顔で目を剥き、長い髪や白装束で人に祟り、命を奪う・・・

 そういうイメージ化された霊の存在でメシを喰う人たちも居るわけですから、 あまり敵を増やすようなことは言いたくありませんが、
 「本当の霊は、何もできません」

 生きている時に普通に何も出来ない人間が、 死んだ途端に超能力を手に入れて、生きている人間に禍を与えるなんて、 あるはずがない。
 これが霊の世界の道理です。

 それを踏まえた上で、本当の霊と生きている人間の物語を書こう。 それこそが、ロマンチック・ホラーだ!!

 そこで出来たのが表題作『ゆうれいって、いるんですか』です。

 この物語の後半で、中心人物の一人高橋ひろとが、 「幽霊は人に取りつかない!」と言うシーンがあります。

 これこそが、霊の正体。
 目には見えない霊の世界を商売にしてきた、あらゆる者を全否定する叫びです。

 水子供養や先祖供養。 霊媒師や拝み屋さんなどの商売を奪う気はさらさらないですけど、 もういいかげん霊感商法なるものは消滅してほしい、という気持ちで書きました。

 このことに反論のある方は、いつでもクリスタルウインドにクレームを下さい。 私が対処します。

 てなわけでこの後4つの新作の解説を週一のペースで書く予定です。


 楽しみな方も、興味のない方も、読んで損はさせないつもりですので・・・

                               きあき秀行



短篇集 ゆうれいって、いるんですか? – 電子書籍出版 クリスタルウインド



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