短編集 『ゆうれいって いるんですか?』 あとがきのようなもの 四
さて今回は新作の解説の最終回です。
最後の最後で出来た新作の5作品目なのですが、この作品だけは苦労しました。
もう題材もアイディアもないのです。何を書けばいいのか・・・
その時家人が、ニセコのあのホテルのことを書けばと、ヒントをくれました。
「ああ、あれがあったっけ!」 そこで私は10数年前の出来事を思い出しました。
今から20年ほど前、5番目の弟子の来未(くるみ)達と日帰り温泉に行った時に、
ニセコのある老舗温泉で来未(くるみ)が見た幽霊の事案があったのです。
その旅館も今は廃業して、あの時にいた幽霊はどこに行ったのだろう、というのがきっかけでした。
廃業した温泉旅館にいた幽霊が、そこが廃業したらどうなるのか。
そこに留まるのか、はたまた別の環境に引っ越すのか・・・
゛ょ
この話は8割がた事実です。
もしルスツから引っ越して来た幽霊を見たければ、北区北34条駅の地下街に行ってみてよ。
あそこはヤバい。
地下廃墟の中に、それなりの者はいますから・・・
きあき秀行